シンポジウム
シンポジウム 1:
粒子線治療とAI画像技術
第2日 9月18日(金)15:20~16:50
オーガナイザー:
臼井 桂介(順天堂大学)
[概要]
放射線治療分野での医用画像の利用が一般化され始め,その流れは粒子線治療へと広がっている.粒子線治療は光子線と比較して,高い線量集中性が原理的に可能であることから,治療時の画像情報を有効的に取り扱うことが,高度な照射技術を併用した粒子線治療において非常に重要である.画像情報に対する人工知能(Artificial Intelligence: AI)の利用は幅広い研究があり,AI画像技術の医療分野への応用が盛んに進行していることが実感される.AIによる画像処理,セグメンテーションおよび予測分析といった技術は,放射線治療分野に新たな質を提供することができる.本シンポジウムでは,粒子線治療での医用画像の現状と治療精度向上へ向けた取り組みを紹介し,AI技術の活用と今後期待される展望を議論する.本シンポジウムを通じて,画像診断のみならず放射線治療分野においてもAI技術の導入が求められていることをご理解いただければ幸甚である.
診断から治療へ -AIの積極的な臨床応用に向けて-
馬込 大貴(駒澤大学)
陽子線治療における画像誘導治療と応用
堀田 健二(国立がん研究センター東病院)
重粒子線治療の臨床運用における人工知能への期待とi-ROCKでの取り組み
蓑原 伸一(神奈川県立がんセンター)
深層学習を用いた適応陽子線治療のためのCBCT散乱線補正と三次元陽子線線量分布計算法の開発
野村 友祐(北海道大学)
シンポジウム 2:
OCTの技術的進歩と事業化、そして臨床応用の最前線
第3日 9月19日(土)12:40~14:10
オーガナイザー:
秋葉 正博(株式会社トプコン)
[概要]
時計の針を戻すこと30年.光干渉断層計(OCT)の歴史は平成とともに始まりました.1990年に山形大学米沢キャンパスで産声を上げたOCTが30年の時を経て山形の地に戻ってきました.OCTはMetrologyとして広く活用されてきた低コヒーレンス干渉を生体計測へと応用しました.古くて新しい技術でありますが,その使われ方を“ずらす”ことで新たな産業を産んだのです.今やOCTは診断に活用され,日本では保険適用されており,世界市場は1,000億円規模にまで成長しました.OCTはなぜ魔の川・死の谷・ダーウィンの海を渡り,実社会で活用されてきたのでしょうか.今回のシンポジウムではその鍵を握るキーとなる先生方に原理開発及び実用化までの苦労,眼科学におけるパラダイムシフトをご紹介頂くとともに,その将来像もご紹介いただきます.生誕30年といえば,実社会では期待の星として位置づけられる時です.現在のOCTは働き盛り.世界各地で人々の健康維持に役立つ装置として活用されております.
座長のことば
秋葉 正博(株式会社トプコン)
第二世代OCTの開発:基礎研究から市場へ
安野 嘉晃(筑波大学)
ダーウィンの荒波にもまれて…眼科用OCT事業化と更なる成長
福間 康文(株式会社トプコン)
眼科臨床におけるOCTの活用事例
中澤 徹(東北大学)
AI眼科診断・診療への応用に向けて
坂下 祐輔(株式会社ニデック)
血管内OCT技術と臨床での使われ方
平 健二(ボストン・サイエンティフィックジャパン株式会社)